インセプションデッキはプロジェクトを始める前に明らかにしておくべきことを知るための活動です
10個の質問という形でまとめられていて、それぞれについてスクラムチーム全体で話し合い、話し合って明らかになったことをスライドにまとめていきます
メンバー全員が思っていることを話して、全員でゴールを共有し、メンバーの役割を確認していくためのフレームワークです
インセプションデッキのテンプレートについては以下を参照ください
インセプションデッキをやってみよう
インセプションデッキをやるのは、メンバー全員の想いをひとつにしていくこと
正解なんてない、全員の想いを知り合おうとすること
「合っている、間違っている」はないのでメンバー全員で思っていることを共有してスライドにまとめていきましょう
メンバーの想いをスライドにまとめることで、これからのプロジェクトで迷ったり、衝突したりした際に、スライドを見返してプロジェクト開始時の原点に立ち戻ることができます
インセプションデッキでやること
- われわれはなぜここにいるのか
<チームの目的を明確にする>
なにのためのプロジェクトで、なにのために集められたのか
顧客がどういう人なのか、どういうところがターゲットなのか - エレベーターピッチ
<プロジェクトの目的を明確にする>
どんなことをしたい顧客にむけた、どんなプロジェクトで、どんな利点があって、どんな決定的な差別化ポイントがあるのかをまとめていく
(エレベータピッチ)シリコンバレーとかで忙しい社長や投資家の人たちにエレベータに乗っている15秒の間にプロジェクトの概要を説明するためのプレゼン手法 - パッケージデザイン
<プロジェクトの目的を明確にする>
キャッチコピーやロゴをつかって、エレベータピッチよりもさらに簡潔にして、アピールポイントを明確にする - やらないことリスト
<プロジェクトの進め方を明確にする>
プロジェクトを進めるうちに、やることはどんどん出てきて雪だるま式に増えてしまうので、あえてやらないことを明確にすることで、スコープの共通理解をする - ご近所さんを探せ
<プロジェクトの関係者を明確にする>
プロジェクトに関わるステークホルダーを明文化して、プロジェクトを進めるうえで話を通しておくべき関係者や部署を抜け漏れなく事前にまとめておく - 技術的な解決策の概要
<プロジェクトを実現するための技術の整理>
メンバー全員が、今回使うであろう技術のリスク有無、リスクがある箇所についてはリスクについて事前に共通理解を持つ - 夜も眠れなくなるような問題は何だろう?
<プロジェクトのリスクの洗い出しとリスク分析>
リスクを洗い出しておいて、プロジェクト進行に影響するような大きなリスクに対して、事前に対策を検討するための共通認識を持つ - 俺たちのAチーム
<プロジェクトチームメンバーの役割の洗い出しと期待値の認識合わせ>
メンバー全員がプロジェクトに参加する意義を明確にする - 期間を見極める
<プロジェクトのスケジュールを整理する>
最終ゴールだけでなく、中間のマイルストンも定義する - トレードオフスライダー
<品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)、機能>
リスクが顕在化したときに、譲れないポイント/優先順位、調整シロがある項目をチームメンバー全員で共通認識にする - 初回のリリースに必要なもの
<プロジェクトの最初のリリースにむけたヒト、モノ、カネを整理する>
インセプションデッキでチーム力を高めよう
プロジェクトを成功に導くためには、チームメンバー全員が自律的に動けるようになることがとても大切
なにをやるのか(What)ばかりでは、プロジェクトのゴールを見失ったり、どのような行動をするのかメンバーごと異なってチームがバラバラになってしまうこともあるでしょう
インセプションデッキをつかって、プロジェクトの目的(Why)を明確にして、チーム&メンバーの行動指針(How)の共通認識を持って、プロジェクトの羅針盤を作り上げる
チームの地図、羅針盤があれば、メンバー全員が自律的に動けるように成長していけると思います
ぜひ、プロジェクト開始前にインセプションデッキでチームの地図、羅針盤をつくってみてください
定期的にインセプションデッキを見返したり、見直したりして、プロジェクトを進めながらチーム力、メンバー全員が成長してプロジェクトを成功に導いてください
インセプションデッキについても詳しく知りたい方は以下の書籍も参考にしてみてください