計画がうまく作れない、計画倒れになってしまう。そんなチームでもスクラム開発で経験&成長していけばきっと計画がつくれるようになっていきます。スクラム開発で失敗から学んで素晴らしいサービスやプロダクトをつくっていきましょう
スプリントプランニングでPDCAサイクルを回そう
みなさんはどのように業務をうまくこなしていますか?
デイリースクラム、インセプションデッキ、レトロスペクティブ(ふりかえり)をやってチームのコミュニケーションが出てきたらPDCAサイクルを回すためにもスプリントプランニングもやっていきましょう。
PDCAサイクルとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価・検査)、Action(対策・カイゼン)の4ステップを繰り返して業務を継続的にカイゼンする手法です。
「言葉は聞いたことがあるけど。。。」
「PDCAサイクルはつかってはいるけど、効果が実感できない。。。」
スクラム開発を行う上での3本柱は『透明性』『検査』『適応』です。この3本柱を意識しながらスクラム開発を行っていけばPDCAサイクルを回す効果が実感できて、PDCAサイクルがきっと回り始めます。
PDCAサイクルを回すための最初のステップは、Plan(計画)です
スクラム開発の5つのイベントのうちの一つ、スプリントプランニングでスプリント期間中のタスクを明確にしていきましょう
スプリントに集中する
スクラム開発の5つの価値基準のうちのひとつ『集中』
メンバーそれぞれに次々と仕事が入ってくる。仕事が入ってくると、仕事の優先度を考慮しながらそのたびに計画を見直し。そのような仕事の進め方をしていると、仕事の効率が落ちてしまいます。
スプリントプランニングでチーム全員がスプリント期間中にやることを明確にして、スプリント中は決められたタスクに集中。次々に入ってくる仕事については今回のスプリントでは実施せず、次回のスプリントプランニング時にチームで優先度を決めてプランニングする。
チーム全員が同じ『集中』の価値基準をもって、メンバー全員がスプリントゴール達成に集中して仕事に取り組んで仕事の効率をあげましょう
スプリントプランニングは2部構成で実施するのがおススメ
スプリントプランニングはスプリント期間が1ケ月の場合でも最大で8時間。これを目安にスプリント期間が2週間のときは最大4時間、スプリント期間が1週間のときは最大2時間にするとよいでしょう。
第1部では、プロダクトオーナー、開発者、スクラムマスターが参加して、プロダクトオーナーが主体となって、今回のスプリントでプロダクトの価値をどのように最大化するのか、そのためのにどのプロダクトバックログのこなしていくのか、今回のスプリントでどこまで終わらせられそうかを開発チーム全員と決めていきます。
開発者は自分たちの理解が正しいか確認したり、わからない/不安に思っていることをどんどん聞いていき、プロダクトバックログごとの完成の定義を決めていきます。スプリントゴールはプロダクトオーナーが決めるのではなく、開発者と一緒にゴールを達成できそうか確認しながらスクラムチーム全員で合意して決めましょう。
第2部では、開発者が主体となって今回のスプリントゴール達成にむけて、スプリントバックログを作成していきます。(プロダクトオーナー、スクラムマスターの参加は必須ではありませんが、開発者が必要に応じて参加を要請することも可能です)
開発者はプロダクトバックログにあるアイテムを分解し、必要な作業(タスク)を洗い出していきます。ひとつのタスクは一日以下の作業量にします。開発者も会議参加やメールを見たりなど、プロジェクト以外に使う時間もあるので、プロジェクトに使える時間を見積りながら、スプリント期間中の計画を立案します。開発者がスプリントの期間で実現できると判断したらプロダクトオーナーに連絡して終了です。もし、できそうにない場合や、難しいと判断した場合はプロダクトバックログの項目をもう一度プロダクトオーナーと調整します。
スプリント期間中の計画は確実に終わらせられるようにしよう
確実に終わるかわからない計画を作成しても、スプリントが終わればその結果はすぐに判断されます。
終わらない計画を作成してしまった場合には、次のスプリントでは確実に終わらせられる計画を作成することを対策として実行しましょう。
スクラム開発で大切なのは、事実を隠さずに『透明性』を上げること。
・事実が隠されてしまう
・終わっていないのに終わったことにしてしまう
・本当はやらなくてはいけないことをさぼってしまう
などがないように『透明性』を上げて『検査』ができるようにしていきましょう。
スプリントプランニングで大切なこと
プロジェクトのゴールは長期のゴールになります。長期のゴールを達成するためには、まずは短期間のスプリントのゴールを達成させられるチームの力が必要です。
スプリントという限られた期間のことを確実に終わらせていくことで、自分たちの問題や課題を明確にしてカイゼンを繰り返しチームを強くしていきましょう。
コミットメントしたことを守ることは大切ですが、コミットメントを守ることだけを意識して技術的負債をため込んだり、チームが疲弊したりしては長期のゴール達成ができなくなります。
コミットメントは「自分たちがやるべき作業にベストを尽くして取り組んでいくためのものである」と捉えて、できないことはできないと認めることも大切。自分たちの実力を把握して、失敗から学び、まずは責任をもってコミットメントできるようになっていきましょう。
スクラム開発で求めているのはコミットメントを必ず果たしてくれるチームではなく、責任をもって取り組んでくれるチームです
次回以降はスプリントレビューの進め方を紹介していきます
スクラムを初めてみたい方は以下の書籍がおすすめ