個人・チームが経験を学びに変えて成長し続ければ、仕事を早く終わらせることができるようになっていきます
「7-2-1の原則(ロミンガーの法則)」をご存じでしょうか?
人の成長の7割は仕事によるもの、2割は他者からの影響、1割が研修や自己啓発など教育学習という法則です
スプリントレトロスペクティブではスプリントでの経験をチーム全員でふりかえり、学びを得て、次のスプリントのカイゼンアクションを決めるためのイベントです
スクラム開発では「7-2-1の原則(ロミンガーの法則)」を使って個人・チームを成長させるフレームワークが組み込まれているんです
スプリントレトロスペクティブ(ふりかえり)をやってみよう
いきなりレトロスペクティブをやってみようと思ってもなにからやるのか、わからないと思います
まずはスクラムマスターが中心となって以下の手順ではじめてみましょう
スプリントの最後にレトロスペクティブの時間を確保しましょう
スプリント期間によって以下の目安で進めるとよいです
・スプリント期間が1週間・・45~60分
・スプリント期間が2週間・・90分
・スプリント期間が4週間・・180分
初回だけは、「レトロスペクティブのルールを全員で作り上げる」ために少し長めにレトロスペクティブの時間を確保するとよいです
「レトロスペクティブのルールを全員で作り上げる」 ・どんな雰囲気でふりかえりを進めたいか ・その雰囲気を作り出すためになにをするのか ・合意できた意見を明文化する 上記を20分程度で決めて、ふりかえりのルールを作りましょう |
レトロスペクティブのステップは以下の5つ
(ステップ1)場を設定する
↓
(ステップ2)データを収集する
↓
(ステップ3)アイデアを出す
↓
(ステップ4)なにをすべきかを決定する
↓
(ステップ5)レトロスペクティブを終了する
実際に私がやっているレトロスペクティブのやり方について紹介します
(ステップ1)場を設定する
①レトロスペクティブのルールを読み上げて、全員でルールに沿って進めることを認識合わせしましょう。
②チーム全員でスプリント期間中の出来事に対して感謝を言い合いましょう
最初はなかなか感謝の言葉が出てこないこともありますが、レトロスペクティブで感謝を言い合うことでいい雰囲気が出来てきます。感謝を言うためにチームの仲間に対して、スプリント期間中に感謝する気持ちを持つ習慣も出来てきます。
③ファイブフィンガーでチーム、メンバーの状態を確認しましょう
あるお題に対して、「せーの」で1~5本の指を出します
5本:とってもうまくやれている
4本:うまくやれている感触あり
3本:可もなく、不可もなく
2本:不安が少しある
1本:全然ダメ。。
前回から変化があったときには、理由も確認してみましょう
ファイブフィンガーでチームの健康状態を把握していきます
<お勧めのお題> ・スクラム開発はうまくできていますか? ・仕事は順調に進んでいますか? ・健康に働けていますか? |
(ステップ2)データを収集する、(ステップ3)アイデアを出す
①YWTという手法でデータの収集、アイデア出しをやってみましょう
「Y:やったこと」「W:わかったこと」「T:次にやること」の3つの枠をつくり、Y→W→Tの順番でスプリントでの出来事をふりかえってみましょう
やったこと・・どんな経験をしたか
わかったこと・・その経験により得た学び、気づきはなにか
次にやること・・わかったことから、アクションとしてなにをするか
やったことは「自分が行った仕事の内容だけ」でなく、以下の観点でも挙げてみましょう
・チームで行ったことはなにか
・チームメンバーが行ったことはなにか
・意識的に行動したことはなにか
・起こそうとした変化はなにか
・行ったカイゼンはなにか
②YWTで出てきた内容について、チーム内で質問をしあったり、意見を言い合ったりしてメンバーの気づきを促したり、自分自身やチームとしての気づきを得たりしましょう
メンバーに対してフィードバックをしてあげることも効果的です
フィードバックをするときは、SBI情報を伝えてあげるとよいでしょう
Situation:どのような状況、どんな状況のときに
Behaviro:どんな振る舞い、行動が
Impact:どんな影響をもたらしたのか
(ステップ4)なにをすべきかを決定する
①YWTで出てきた「次にやること」に対して、チームメンバーでいいなと思うことに投票しましょう
一人3票ぐらいで投票して、投票数が多いものを1~2つリストアップしましょう
②リストアップ出来たらアクションを具体化するためにSMARTな目標にしましょう
SMARTな目標とはアクションを以下の観点で具体的にしていきます
Specific・・明確にする/具体的にする
Measurable・・アクションができた/できていないをどのように計測するかを決める
Achievable・・達成可能なアクションにする
Relevant・・このアクションでどのような効果が得られるのかを明文化する
Timely/Time-Boundede・・すぐにできる/期限を明確にする
(③次のスプリントですぐにアクションをやってみましょう)
(ステップ5)レトロスペクティブを終了する
①レトロスペクティブ自体のふりかえりをしましょう
今回のレトロスペクティブでの進め方やファシリテーション、参加者の行動や発言の内容から「よかったこと/うまくいったこと」、「カイゼンしたいこと」を話し合いましょう
②今回のスプリントの頑張りを全員で労い、次のスプリントにむけて前向きに締めくくりましょう
レトロスペクティブの参考資料
レトロスペクティブにはいろんな手法があります。以下の手法も参考にして自分たちのチームにあった手法を見つけてみてください
レトロスペクティブについて学んでみたいかたは以下の書籍も参考にしてみてください